Q.
私は中小企業のオーナー経営者です。
このたび、後継者である長男に非上場株式を贈与しようと思っていますが、贈与税のことが気になります。
後継者である長男に非上場株式を贈与する場合に何かよい方法はありませんか?
A.
一定の要件を満たす非上場株式等の贈与については、贈与税の納税猶予制度の適用が受けられます。
非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度
経営承継円滑化法による認定中小企業者の後継者が、その代表者であった人から当該中小企業者の株式等の全部または一定以上の贈与を受けた場合には、贈与前からすでに後継者が保有していたものを含めて発行済議決権株式等の総数等の3分の2に達するまでの部分にか株贈与税について、その贈与税分の担保を提供した時に限り、当該代表者の死亡の日まで、その納税を猶予するという制度です。
特例の適用を受けるための要件
この贈与税の納税猶予を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。
① 会社の適用要件
★ 会社は、経営承継円滑方による経済産業大臣の認定を受ける。
★ その会社等は、非上場である。
★ その他一定の要件
② 贈与者の適用要件
★ 代表権を有していた人で、贈与時には役員を退任している。
★ 贈与直前において、贈与者と同族関係者で株主総会議決権数の50%超を保有。
★ 贈与直前において、有する議決権数が受贈者以外の同族関係者内でトップである。
③ 受贈者の要件
★ 贈与により、上記の①の要件を満たす会社の非上場株式等を取得した個人である。
★ 贈与時において、贈与者の親族であり、かつ、贈与日現在20歳以上である。
★ 贈与時において、当該会社の代表権を有している。
★ 贈与時において、受贈者と同族関係者で総株主等議決権数の50%超を保有。
★ 贈与時において、有する議決権数が同族関係者内でトップである。
★ 贈与時から贈与税の申告期限まで、贈与税の納税猶予の対象となる株式等すべてを継続保有。
★ 贈与日まで継続して3年以上、その会社の役員等である。