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お役立ち情報

生前贈与のポイント

生前贈与は、将来の相続財産の絶対量を減らすことにより、相続税の節税に役立ちます。また、特例を活用すれば、さらに効果が高まります。以下、要点を整理してみます。

1 生前贈与のメリット
①あげたい人に、あげたいものを確実に渡せる(相続時の争族の防止)。
②贈与した資産は、その後に相続税の評価額がアップしていても相続税に影響しない。
③贈与は相続と異なり、自分の贈った財産がどのように使われるかを、自分で確認できる。
④孫への贈与は相続を一回パスすることになり、「世代飛び越し効果」がある。

2 一般贈与の計算贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された財産を「財産評価基本通達」に従って評価し、課税価格の合計額から110万円の基礎控除額控除した残額に贈与税率を適用して税額を算出し、翌年の2月1日から3月15日までに申告・納付します。

3 節税分岐点贈与税率は、相続税率よりも相対的に高くなっていますが、相続税をコントロ−ルすることにより相続税負担よりも低く生前贈与できます。財産が多い場合には年間110万円の贈与では相続税の節税効果が遅く小さいものとなるので、図表を参考にして贈与財産の金額アップを検討するのも良いでしょう。

贈与税   相続税

基礎控除及び配偶者

控除後の課税価格

控除額 税率

法定相続人の

各取得金額

控除額
200万円以下 10% 1,000万円以下
300万円以下 10万円 15% 3,000万円以下 50万円
400万円以下 25万円 20% 5,000万円以下 200万円
600万円以下 65万円 30% 1億円以下 700万円
1,000以下 125万円 40% 3億円以下 1,700万円
1,000万円超 225万円 50% 3億円超 4,700万円

4 贈与税の特例次の3つの特徴は、政策的に贈与税の負担を大幅に軽減・免除または先送りする制度なので、是非、活用したいものです。

(1) 贈与税の配偶者控除配偶者から居住用不動産の贈与を受けた場合は、基礎控除の他に、2,000万円が控除されます。

【適用要件】
①婚姻期間が20年以上の配偶者からの贈与であること
②居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
③贈与を受けた年の翌年3月15日までに受贈者の居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みであること
④過去に、今回の贈与者からの贈与について、この特例を受けていないこと

(2) 住宅取得等資金の贈与の非課税平成23年12月31日までの間にその直系尊属から贈与により取得した住宅取得等資金について、非課税限度額(平成23年中は、1,000万円)までの金額の贈与を受けた場合、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であるなど一定の要件を満たすときは、その非課税限度額までの金額は贈与税がかかりません。

(3) 相続時精算課税制度の選択
①制度の概要
贈与税の課税制度には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。この制度は、贈与時に贈与財産(特別控除後)に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時に精算するものです。
②適用対象者
贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子とされています。
③その他
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はなく、特別控除額2,500万円です。なお、贈与者ごとに選択できますが、いったん選択すると暦年課税に戻せません。

5 贈与税の注意点

(1) 証拠を残しておく
①預金通帳や証書等の名義を整合性のあるものにし、印鑑は贈与を受けた人が保管していること。
②契約書によらない贈与はいつでも取消し可能(民法550条)です。不安定な状況にならないためにも契約書は必ず作成すべきでしょう。
③首尾一貫性
受贈した財産は、受贈者がその財産の管理等をするのが当然であるため、次の例のようにその首尾一貫性が大切です。
・土地…固定資産税の負担
・建物…固定資産税・火災保険料の負担
・株式…配当の所得税申告
・賃貸物件…不動産所得の申告

(2) 意思能力贈与は契約であり、贈与者の贈与する意思と受贈者の贈与を受ける意思の両方があって成立します。そこで、通常、中学生以上なら問題ありませんが、小学生以下の場合、祖父母からの贈与を受けた預金通帳や証書は、印鑑とともに両親が代わって受け取り、管理しておく必要があります。ただし、一般的に小学生以下の場合、意思能力が備わっていないと判断されることがあるので注意が必要です。

雇用保険法が改正−失業者に対する失業等給付が充実−

雇用保険法が改正され、平成23年8月1日から施行されています。改正の主な内容は、次の通りです。

1 賃金日額及び基本手当日額の引き上げ


基本手当とは、被保険者が、自己都合、定年、倒産等により離職後、生活の心配をせずに求職活動し、早期に再就職が実現できるように支給されるものです。
賃金日額は基本手当日額の算定の基礎になるもので、離職の日以前6か月間に、原則として、被保険者として支払われた賃金の総額(臨時に支払われる賃金および3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く)を180で割った額(給与の1日の平均額)です。
今般の改正で、賃金日額及び基本手当日額の下限額と上限額の底上げが行われました。

表1

年齢 賃金日額の上限 基本手当日額の上限
30歳未満 12,290円→12,910円 6,145円→6,455円
30歳以上45歳未満 13,650円→14,340円 6,825円→7,170円
45歳以上60歳未満 15,010円→15,780円 7,505円→7,890円
60歳以上65歳未満 14,540円→15,060円 6,543円→6,777円
65歳以上 12,290円→12,910円 6,145円→6,455円
  賃金日額の下限 基本手当日額の下限
賃金日額 2,000円→2,330円 1,600円→1,864円

2 再就職手当及び常用就職支度手当の給付率の引き上げ

雇用保険には、就業に就くための求職活動や、より早期の再就職を促進するための制度として就職促進給付があります。

就職促進給付には、就業促進手当(就業手当、再就職手当、常用就職支度手当)、移転費及び地域求職活動費の3つがあります。

このうち再就職手当と常用就職支度手当の給付率が改正されました。

(1) 再就職手当

①給付日数を3分の1以上残して就職した場合の給付率が、従来の30%(暫定措置として40%)から50%に引き上げられ恒久化されました。

②給付日数を3分の2以上残して就職した場合の給付率が、従来の30%(同50%)から60%に引き上げられ恒久化されました。

(2)常用就職支度手当

常用就職支度手当の給付率が、30%から40%に引き上げられました。

表2

支給残日数 常用就職支度手当の額
45日未満 45日分×基本手当日額×40%(従来は30%)
45日以上90日未満 支給残日数×基本手当日額×40%(従来は30%)
90日以上 90日分×基本手当日額×40%(従来は30%)

3 高年齢雇用継続給付の限度額の引下げ

高年齢雇用継続給付の限度額が、32万7,486円から34万4,209円に引き上げられました。

再就職手当

再就職手当は、職業に就いた日の前日において基本手当の支給残日数が3分の1以上ある受給資格者が、基本手当の受給資格の決定を受けた後に、早期に安定した職業(1年を超えて雇用されることが確実であること)に就き、または事業を開始した時に支給されるものです。

ただし、離職前の事業主に再び雇用された人、就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けた人あるいは申請後まもなく離職した人には支給されません。

常用就職支度手当

常用就職支度手当は、高年齢受給資格者を除く受給者資格等であって、、身体障害者や就職日において45歳以上の者(雇用対策法に基づく再就職援助計画等の対象者)等就職困難者として厚生労働省令で定めるものであって、就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、就職日から受給期間満了日までの基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1未満または45日未満である等の要件を満たした者に支給されます。

在庫という魔物

黒字でも在庫過多で倒産

黒字でも在庫過多で倒産する企業の話をよく聞きます。売上がどんどん上がっても適正な在庫管理がなされなくては利益が飛んでしまいます。小売業、販売業、製造業であれば、日常的に注文に応じた売上を確保するために在庫を持つ必要があります。在庫を持つことは経営上必要な行動です。問題になるのは、必要以上に在庫を持っているケ−スです。では、なぜ、在庫が増えると経営的に見てだめなのでしょうか?

在庫増の問題点

それは、在庫が増えるとその分スペ−スが必要になりますし、それに伴う管理経費も増えます。さらに、借入等に依存していると金利負担がかかります。また、不良資産で抱える可能性も高くなります。
営業担当者は「在庫切れ」を心配するので、「在庫は常に多く持っていてほしい」と願います。しかし、持ちすぎると経営を圧迫しかねません。一般的に、在庫を保存することによってかかる管理費は少なくとも年間で5%、多い場合は25%ともいわれています。このように、過剰な仕入による在庫の増大は、営業利益が黒字であっても、営業キャッシュフロ−はマイナスとなり含み損失を抱えて、いわゆる「黒字倒産」を引き起こしかねなくなります。
在庫を減らすためにはどうすればいいのでしょうか?
いたって、単純明快!シンプルにはじめましょう。
それは…「適正在庫を知り在庫管理をする」だけでいいのです。

1 在庫管理

(1) 適正在庫を知る
自社の適正在庫をご存じでしょうか?
適正在庫とは、在庫コストを最小限に抑え、かつ、効率よく売上に結びついている在庫量及び金額のことをいいます。適正在庫量は、簡便的には次の算式で求めることができます。

適正在庫量=年間販売高÷年間商品回転率

ただし、これは人間でいう健康診断と同じでひとつの目安にすぎません。実際には、季節商品や時間的な要因、安全在庫といった点を考慮して、各部署が分析し決定しなければなりません。自社にあった適正在庫を量と金額の両方の観点から判断してください。

(2)在庫を管理する当たり前のことですが、「在庫管理」をすることです。一口に在庫管理といっても、次にあげる「在庫管理」が自社でできていますか?すぐにチェックしてみてください。もし、一つでも欠けていたら、要注意!即座に実行に移しましょう。それだけで無駄な在庫が減る可能性があります。

①棚卸しは毎月行う
実地棚卸しは毎月行うように心がけましょう。ただし、毎月実施するのが困難な業種もあるでしょう。その場合は、最低でも四半期に一度は実地棚卸を行い、毎月の入出庫管理表の記入を徹底させることが基本です。そして、実地棚卸による実際の在庫数量と、帳簿上の在庫数量を突合し、差異があれば原因をすぐに研究します。
これにより、商品や材料などの横流しの誘発防止にもつながります。

②棚卸しは数だけでなく質も行う
棚卸しを行う際、「数だけを数えて終わり」という場合が多いのですが、正確な在庫管理のためには、ABC分析を行うなど、質の棚卸しを行う必要性があります。
ABC分析とは、管理しようとする対象をA、B、Cの3グル−プに分け、それぞれの特性に対応した管理方式を重点的に実施するための前提となる分析を言います。
Aグル−プは、品目は少ないが金額が大きいため入念に個別的に管理する必要があり、これと対照的に、Cグル−プは、品目は多いが金額が少ないため定型型チェックを主とし、例外的事態だけを管理するようにします。Bグル−プはこれらの中間的な管理をするものです。
したがって、Aグル−プの集中管理が望ましく、あらゆる事象に管理努力を払うことなく効果があらわれるのです。
在庫が増える大きな原因は何でしょうか?「いつかは売れる→この値段で売るのは損」と甘い期待をして販売価格を下げられない場合、不要なもの(「季節外れ商品」「競争力のない旧商品」など)を捨てられない場合などです。これによって、実際には価値のない不良在庫がどんどん計上され、管理経費も膨れ上がるのです。このような事態にならないためには会社全体で明確に基準を設けましょう。
たとえば「**ヶ月以上、発注がない商品については**%掛けで販売する。」「**年以上、発注がない商品については廃棄する。」などです。その基準によって在庫管理担当者も棚卸し分析をすることが大切です。
一見、損をしているように思われますが、原価割れでも固定化している資産がキャッシュに変わったり、利益の出ている会社であれば損失が出た分の税負担も減り節税になります。また、管理コストも減少するため、キャッシュフロ−の観点からは、プラスに大きく作用するのです。小売業の場合には、バ−ゲンを行うことによって「集客の材料にできる」という効果を得ることも可能となります。

③整理整頓を行う在庫を保管している倉庫などは常に整理整頓しましょう。何がどこにあるか、一目瞭然に整理されていれば、在庫がまだあるのに発注してしまうなどのロスを抑えることが可能です。

2 発注管理

次に、発注方式を工夫して在庫を減らす方法を見てみましょう。発注方式を、対象となる商品ごとに検討することで在庫を減らすことが可能になります。発注方式の内容と特徴は次の通りです。

(1)定量発注方式
売れ筋商品など出入りの激しい商品に適しています。
在庫量をチェックし、ある在庫量(発注在庫量)を下回った時にある一定量の発注をかける方式です。

(2)定期発注方式在庫管理上あまり手間がかからないことから在庫コストを抑えられるため、量のあまり出ない買い回り商品に適しています。補充的に毎月一日になったら発注する方式です。出荷量にバラツキがありますので、毎回の発注量は発注のつど予測をして決めます。

(3)都度発注方式
高額商品など売れ行きの読みにくい、在庫を持ちたくない商品に適しています。
必要な都度、必要な量を発注する方式です。

高価なシステムを導入する前に


営業に比べ、在庫管理や発注管理は軽視されがちです。しかし、「在庫は魔物」です。キャッシュフロ−の観点から、また、本当の意味で利益を出すためには非常に重要であり、会社全体が理解する必要があります。
高価な発注システムや在庫管理システムを導入する前に、自社の流れを社員全員が理解し、まずは、以下のような当たり前のことから実践してみてはいかがでしょうか?

雇用調整助成金−震災関連は支給要件を緩和−

雇用調整助成金(中小企業向けの中小企業緊急雇用安定助成金を含みます)は、景気の変動、産業構造の変化等の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るために、労使間の協定に基づき、雇用保険の被保険者(解雇を予告した者、日雇労働被保険者、特定就職困難者雇用開発助成金等の支給対象となる者、退職願を提出した者は除きます)を一時的に休業、教育訓練、または出向させ、それにかかる休業手当または賃金等を支払った場合に、その一部を助成する制度です。今回はこのうち計画届の提出が増加している休業にかかる助成金に関して解説します。

●支給要件
雇用調整助成金は、次のいずれかに該当する雇用保険の適用事業主に支給されます。
①売上高または生産量など(以下「売上等」という)の最近三か月間の月平均値がその直前三か月または前年同期と比べ5%以下減少していること(中小企業については、減少幅が5%未満でも、直近の決算等の経常損益が赤字であれば可)。
②円高の影響により売上等の回復が遅れている事業所で最近三か月の売上等が三年前の同期と比べ15%以上減少し、かつ、直前の決算が赤字であること(中小企業は対象期間の初日が平成22年12月2日、大企業は平成22年12月14日から一年間の暫定措置)。

●東日本大震災にかかる特例
今般の東日本大震災に伴う経済上の理由により、以下のいずれかに該当する場合は、最近一か月(通常は三か月)の売上等が、その直前の一か月または前年同期と比べ5%以上減少している場合も対象となります。
①青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県、新潟県、長野県のうち災害救助法適用地域に事務所が存在する場合
②①に該当しない事務所であっても、上記の災害救助法適用地域に所在する事業所と一定規模以上(総事業量などに占める割合が三分の一以上)の経済的関係を有する事業所の場合
③②の事業所(被災地関連事業主)と一定規模以上(総事業量の二分の一以上)の経済的関係を有する事業所(二次下請等事業主)の場合

●特例の対象となる具体例
本助成金は、東日本大震災に伴う経済上の理由で事業活動が縮小した場合に利用することができますが、避難勧告・避難指示など法令上の制限を理由とするなどの直接的な理由のものは対象になりません。厚生労働省では、具体的なものとして、次のような事例を示しています。
①交通手段の途絶により、社員が出勤できない、原材料の入手や製品の搬出ができない、来客が無い等のため事業活動が縮小した場合
②事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の修復が不可能であり生産量が減少した場合
③避難指示等の制限解除後も、風評被害により観光客が減少したり、農作物の売上が減少した場合

●休業の実施休業は、従業員の全一日の休業または事業所全員一斉の短時間休業を行うことが要件です。なお、平成21年2月6日から当面の間は、事業所における対象被保険者等毎に一時間以上行われる休業(特例短時間休業)についても対象となっています。

●申請前に計画書を提出休業を実施する場合は、都道府県労働局またはハロ−ワ−クに、事前に必要書類を添付して、「休業等実施計画書」を提出しなければなりません。計画書を提出する前に休業を実施した場合は、その日については、本助成金は支給されませんのでご注意ください。

●計画書に添付する書類
要件を満たした後は、下表のうち必要な書類を揃えて、休業開始日の前日(二回目以降は、賃金締切機関が定められている場合は、賃金締切日)までに、「休業等実施計画(変更)届」を都道府県労働局に提出します。
この計画届は一か月を単位にしていますので、翌月以降も休業の予定がある場合は、休業開始前日までに提出します。
※雇用調整助成金は、改正の多い助成金ですので、申請前に支給要件、様式等をご確認ください。

■ 雇用調整助成金・資料

様式第1号(1) 休業等実施計画(変更)届(欄外余白に捨印を押印すること)
様式第1号(2)・様式第2号(2) 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書
様式第93号 雇用調整実施事務所の事業活動の状況に関する申出書(円高の影響用)

休業協定書の写し(休業期間、休業の対象となる労働者の範囲、休業手当の支払基準(たとえば、賃金の全額を支給するかとか基本給は60%、その他の手当てについては100%を支給するといった基準)等が記載されたもの)

労働者代表選任届(前記の協定書に署名押印した労働者代表がその事業所の労働者の過半数を代表する者であることを確認できるもの)
委任状の写し(代理人による申請の場合)
企業の業務内容、資本金を確認できる資料(法人税確定申告書の写し、登記事項証明書(3か月以内のもの)など)
就業規則・賃金規定の写し(賃金締切日、所定労働日、所定労働時間、賃金構成を確認できる部分(原本持参))
ロ−テ−ション表・勤務予定表(交代勤務等、労働者ごとに所定労働日が異なる場合)
年間カレンダ−(休業を実施する年度とその前1年間分)
常時雇用する労働者を確認できる資料
短時間労働者については雇用通知書等
売上高または生産量当の事業活動の縮小が確認できる生産月報、月次損益計算書及び総勘定元帳等
直近の決算が赤字であることの確認書類(法人税申告書に添付した損益計算書であって税務代理権限証書を添付しているもの、納税証明書の所得金額欄0円以下などのもの)

(注)届出事項に変更があった場合は、変更の実施日前までに「休業等実施計画(変更)届」等を提出しなければなりません

進まない地熱発電

福島第一原発事故を受け、政府はエネルギ−政策を見直していますが、そんな中、注目を浴びているのが「地熱発電」です。
もっとも、地熱発電の開発は進んでいないのが実態です。
そこで、資源エネルギ−庁が公表した地熱発電に関する研究会の報告や日本地熱開発企業協議会の資料をもとに、地熱発電についてまとめてみました。

☆地熱発電とは
地熱発電は、地下深い所(通常地下1〜3㎞)にある高温のマグマから供給される膨大なエネルギ−により高温・高圧となった熱水・蒸気を利用して発電する方法です。
火山列島である日本に豊富に存在しているクリ−ンな自然エネルギ−のため、太陽光、風力、水力などと並んで二酸化炭素の抑制・地球温暖化防止の切り札とされています。

☆地熱発電の特徴
地熱発電については
① 二酸化炭素をほとんど排出せず
② 海外からの輸入に頼らない純国産エネルギ−であり
③ 自然エネルギ−の中では安定的な電源で
④ 他の再生可能エネルギ−(太陽光、風力など)と比較して稼働率が高い
といった特徴があげられています。地熱発電の開発可能地点は、日本全国に広く分布しています。特に年間日照時間が短く太陽光発電の普及が難しい北陸や東北、北海道の日本海側の潜在能力が大きいと言われています。

☆地熱発電の問題点
長期エネルギ−需給見通しによると、2005年度を基準として、太陽光発電は2020年度に10倍、2030年度に40倍と大幅に、また風力発電は2020年度に5倍、2030年度に6倍と、ともに増加する見通しであるのに対し、地熱発電については現状維持とされています。そして、以下のような課題を抱えていることから、地熱発電所の新規立地は進んでいないのが現状です。
① 経済性・開発リスク
地下深部の調査を要することから、ボ−リング調査など開発に要する期間が長くなります。また、調査・開発段階で多数の坑井掘削が必要であるとともに、運転開始後も補充井の掘削等が必要になります。これらのことから、開発コストが高くなってしまいます。
② 地元温泉業者との調整
ほとんどの有望地熱開発地域が温泉地域の近くに存在することから、温泉が枯渇するとして温泉への影響を懸念する温泉事業者との調整により、開発が停滞しているようです。
③ 自然公園法等の規制
多くの有望地熱開発地域が自然公園地域内にあることから、自然公園法への対応など、法規制をクリアしなければなりません。

資本の変動手続きについて

会社法の施行後、「利益の資本組み入れ」を除いて、資本金、準備金及び剰余金の間の振替ができるようになりました。また、剰余金を、準備金へ組み入れることも認められています。
会社法では、純資産つまり「資本金」、「準備金」、「剰余金」の間での振替が、一定の手続きをとることを条件に、原則として自由に行えるようになりました。
会社法施行以前は、有償減資や有償減準備金によって、株主に金銭などを払い戻すと同時に、資本金や準備金を減額することが行われていました。施行後は、株主への金銭などの払い戻しはすべて剰余金の分配手続きに集約されました。そのため、たとえば有償減資を行う場合には、一度資本金から剰余金に振り替えて、そのうえあくまでも剰余金の分配という形式をとることになります。

計数変動のパタ−ン


会社法では、事業年度内の純資産の変動については、株主資本等変動計算書の作成が法務省令により要請されます。つまり「資本金」、「準備金」、「剰余金」間における取引でいわゆる計数変動手続きにあたります。
計数変動パタ−ンとしては「資本金」、「準備金」、「剰余金」間での取引のため、以下の6通りとなります。それぞれの概要は、次の通りです。


(1) 資本金→準備金
原則として株主総会(臨時総会でも可能です)の特別決議が必要となります。一定要件を満たす場合には、定時総会の普通決議でも可能です。


(2) 資本金→剰余金
前記と同様に、原則として株主総会(臨時総会でも可)の特別決議が必要となります。一定要件を満たす場合には、定時総会の普通決議でも可能です。


(3) 準備金→資本金
株主総会(臨時総会でも可)の普通決議により可能です。会社法施行以前は、取締役会決議で行われていました。ただし、準備金の資本金組み入れについては、資本準備金に限られており、利益準備金からの組み入れは禁止されています。


(4) 剰余金→資本金
株主総会(臨時総会でも可)の普通決議により可能です。会社法施行以前は、「利益の資本組入れ」は、利益処分の一形態として、定時総会決議が必要でした。ただし、剰余金の資本組み入れについては、その他資本剰余金に限られており、利益剰余金からの組み入れは禁止されています。


(5) 準備金→剰余金
株主総会(臨時総会でも可)の普通決議により可能です。株式の発行と同時に準備金を減少する場合で、減少後の準備金が減少前より大きいときには、取締役決定でも可能となります。


(6) 剰余金→準備金
株主総会(臨時総会でも可)の普通決議により可能です。会社法施行以前は、実行不可能な取引でした。つまり「利益の準備金の組み入れ」に相当していたためです。
また、剰余金の配当をする場合には、減少する剰余金の10%を資本準備金、または利益準備金として積み立てなければならないとされています。

株主資本等変動計算書


会社法の施行に伴い従来の利益処分(案)や利益処分計算書は廃止され、新たに株主資本等変動計算書が導入されました。
これまでは、利益処分や資本の変動は原則として定時株主総会だけで行うこととされていたため、定時株主総会のときに利益処分案として、株主の判断を仰いでいました。
会社法の施行により、利益処分については定時株主総会に限らず行うことができるようになりました。そのため、資本の部の変動を詳細に示す計算書が導入されたのです。これが、株主資本等変動計算書になります。

妊娠・出産・育児休業をするとき


被保険者が、妊娠・出産から育児休業を経て職場復帰するまでの給付とそれにかかる一連の手続きは、表のとおりです。
被扶養者がいるときには、(2)、(4)が支給されますので、担当窓口に申請するとよいでしょう。

育児休暇.jpg


(2) 出産したとき
被保険者または被扶養者が出産(妊娠4か月以上の出産をいい、正常分娩、早産、死産、流産、人工妊娠中絶であるとを問わない)したときには、出産育児一時金または家族出産育児一時金として胎児一児につき39万円(産科医療補償制度に加入している病院などで出産したときには、42万円)が支給されます。


(3) 被扶養者が増えたとき
出産したときには、原則として、出産日から5日以内に、年金事務所に「被扶養者異動届」を提出します。


(4) 子ども手当を申請するとき
子ども手当は、子ども(15歳到達日以後最初の3月31日までの間にある子どもをいう)の健やかな育ちを支援するために、平成22年度から実施されている時限立法で、平成23年10月(同年6月分〜9月分)までの支給が決定しています。
児童手当と比べ範囲が広く、所得制限もありませんが、住所地の市区町村で認定を受ける必要があります。支給額は、1人につき月額一律1万3千円です。


(5) 児童扶養手当を申請するとき
児童扶養手当は、父母の離婚、行方不明(孤児)、父または母の死亡など片親からしか養育を受けられない一人親家庭などの児童を養育しているもので、所得が一定水準以下の養育者に支給されます。
なお、児童扶養手当は子ども手当との調整規定がないので、支給要件を満たせば両方の手当を受けることができます。児童扶養手当は、所得額により全部支給、一部支給、支給停止のいずれかが決められます。また、子どもが2人以上いる場合は、一定額が加算されます。


(6) 育児休業をしたとき
育児休業給付金は、原則として1歳または1歳2か月未満の子を養育するために育児休業を取得する雇用保険の一般被保険者であって、休業開始前2年間に、みなし被保険者期間が通算して12か月以上あった時に支給されます。
支給額は、一支給単位機関(30日)について、休業開始時賃金日額に支給日数を掛けた額の40%(当分の間は50%)相当額です。
支給対象期間中に賃金が支払われた場合の支給額は、次の通りです。


① 賃金が休業開始時賃金月額の30%以下の場合
…賃金月額(賃金日額の30日分)の50%相当額
② 賃金が休業開始時賃金月額の30%超80%未満の場合
…賃金月額の80%相当額と賃金の差額
③ 賃金が休業開始時賃金月額の80%以上の場合
…支給されません


(7) 育児休業期間中の保険料免除の申出をするとき
3歳未満の子を養育する育児休業等の期間について、育児休業等開始日の属する月から育児休業等終了日(女性の場合は出産日後57日目から子供の3歳の誕生日の前日までの期間)の翌日が属する月の前月(最大で3年間)までは、申出により、事業主・被保険者ともに厚生年金保険金及び健康保険の保険料が免除されます(雇用保険は賃金を支払うつど保険料が徴収されますので、賃金を支払わなければ保険料を徴収されることはありません)。ちなみに、この免除期間は被保険者期間に算入されますので、年金額等にも当然に反映されます。


(8) 育児休業前と出社後の標準報酬月額に変動があったとき
3歳未満の子を養育する被保険者が、育児休業終了後に労働時間を短縮して就労する場合、報酬月額は一般的に低くなります。
そこで、育児休業等終了日の翌日の属する月以後3ヵ月間に受けた報酬の総額をその期間の月数(報酬支払基礎日数が17日未満の月は除く)で割った額と、従前の標準報酬月額とを比べて標準報酬等級に1級以上の差が出たときには、標準報酬月額の改定の申し出ができます。
この場合、保険料及び傷病手当金などの保険給付は新たな標準報酬月額に基づき計算されます


(9) 育児休業前の高い報酬で年金額を計算してもらいたいとき
3歳未満の子を養育し、または養育していた者が、年金額の計算の基礎となる平均標準報酬月額について、育児休業開始前(従前)の標準報酬月額で計算してほしいときには、この申出書を提出します。

平成23年度税制改正

震災の影響で審議が止まっていた平成23年度税制改正法案は2つの法案に分割され、そのうちの1つが「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」として、6月22日に成立、6月30日に公布・施行されました。法人税と消費税に関する主な改正についてお伝えいたします。

法人税に関する改正

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消費税に関する改正

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当初、改正が予定されていた給与所得控除や退職所得控除の見直し、法人税率の引下げ、相続税の基礎控除の引下げ等は、引き続き審議されることになります。

税務調査のための項目別留意点

税務調査にはいくつかの種類がありますが、究極的には取引内容を確認した上で、申告内容の妥当性をテェックするのが目的です。ここでは、項目ごとに税務調査時に問題となりやすい点を揚げますので、日常業務の上で問題が生じないように留意したいものです。


<税務調査の種類>
税務調査は大体、表のように区別されますので、これに沿って内容を簡単に説明します。

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① 強制調査
計画的で悪質な脱税犯について、任意の調査では適正な課税が実現できないと判断される場合に、裁判所の許可状を得て行われる調査です。国税犯則取締法による強制力を持っており、通常「査察」(マルサ)と呼ばれ、国税局が担当し、通告処分または告発を最終目的とし、臨検、捜索、差押え等の権限が認められています。


② 任意調査
① に対する言葉で、一般の税務調査を言います。
脱税犯に対する調査と異なり、適正・公平な課税のために行われるものですから、質問検査権として認められる範囲において納税者の同意を得て行われるものです。ただし、正当な理由なく調査拒否などを行うと罰則が適用されますので、「間接強制を伴う任意調査」といわれています。


③ 準備調査
実地調査(臨場調査)着手前の準備的な調査で納税者から提出された確定申告書や蓄積した資料情報などを基に行います。納税者の過去の税歴(申告漏れや滞納がなかったか)、経営者のデ−タ、申告書における特異な科目や金額、比率等の計数など分析、検討され、どこに調査のポイントを置くかが絞り込まれます。


④ 実地調査
納税者の事務所や店舗などにでむいて行う調査で、一般の税務調査は通常この実地調査を指しています。この中に、次の「現況調査」、「反面調査」等が含まれます。


⑤ 現況調査
納税者に対して事前通知なく行われる税務調査で、納税者のナマの姿を見ることを目的としています。任意調査においては事前通知が原則ですが、業種によっては連絡して調査したのではその実態がつかめないものがあり、また、脱税が想定される場合などには、証拠書類を隠されてしまう恐れがあるため認められています。しかし、強制調査ではありませんので、正当な理由があれば、調査の延期を申し入れることはできます。


⑥ 反面調査
納税者自身の調査だけでは不審点が解明できない場合、あるいは納税者が調査に素直に応じない場合などに認められている取引先や銀行などへの補完的調査を言います。

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融資の返済条件変更


返済継続が困難なときに


現在融資を受けている既存の融資について、今の返済条件では、返済を継続することが困難な場合、現時点での収支バランスに合わせて返済条件を変更することができます。
さて、小規模事業者がよく利用する信用保証協会付融資というものがありますが、信用保証協会とは、事業主の保証を行ってくれる政府系の保証機関です。
この信用保証協会の保証が付くと、事業主が融資を返済できなくなっても信用保証協会が肩代わりしてくれるので、金融機関からの貸出がたやすくなります。
したがって、信用保証協会付融資の場合、信用保証協会が条件変更の決定権を握ることになります。
返済条件を変更するときは金融機関の窓口で担当者に申し出ましょう。決算書を分析しながら返済負担の軽減額を検討すると思われますが、通常は条件変更を申し出た本人の申し出額が尊重され、新たな返済額となります。


条件変更すると新たな追加融資は受けられない


本人の申し出により、条件変更をすると、基本的に新たな追加融資は受けられなくなります。しかし、現在の融資を完済すれば、一般的に追加融資にも応じてくれると思われます。


他の金融機関の追加融資にも影響


返済条件の変更を申し出ると、その金融機関だけでなく他の金融機関の追加融資を受けることも困難となります。

会社役員の冠婚葬祭と税金

会社行事として役員の冠婚葬祭に関与する場合、税務上どのような点に留意しなくてはならないでしょうか?具体例をあげて考えてみましょう。

Ⅰ.冠

質問
A社では、役員が還暦・喜寿等の時に、社内パ−ティ−を行い、会社が一部費用を負担していますが、税務上どのように取り扱われますか?


回答
還暦などの行事は、極めて個人的なお祝い事であり、役員だけとなれば福利厚生とはなりにくく、費用性があるとはいえません。よって会社が負担した費用は、その役員に対する給与(賞与)となり、損金にはなりません。

Ⅱ.婚


質問
B社の社長の長男である常務の結婚式・披露宴の費用について六割相当額を会社で負担しました。また、慶弔見舞金規定に従って常務へ結婚祝金を支払いました。これらの費用は、どのように取り扱われますか?


回答
1.役員の結婚式・披露宴の開催に関する費用の取扱い
税務上、結婚式・披露宴の費用は、役員である長男に対する給与であり、会社の交際費として取り扱うことはできません。私的な行事は、役員個人が負担すべき費用です。
披露宴に会社の取引先等を招待していても、それが会社の経営や業務に必要な行事であるとまでいえません。したがって、交際費として取り扱うことはできません。

2.役員への結婚祝金に関する取扱い
原則として福利厚生費として取り扱われます。しかし、社会通念上不相当に高額な祝金は福利厚生費ではなく、給与として取り扱われる場合があります。

Ⅲ.葬


質問
C社の創業者である社長が亡くなり、社葬となりました。この場合の費用に関する税務上の取扱いはどうなりますか?また香典の取扱いはどうなりますか?


回答
1.社葬の原則的取扱い
葬儀は本来、個人的な儀式ですので、費用は遺族が負担すべきものです。したがって、社葬は会社から遺族に対する贈与として取り扱われ、遺族が会社関係者であれば給与(賞与)となります。

2.社葬が会社通念上相当と認められる場合の取り扱い
社葬を行うことが社会通念上相当と判断された場合、社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、支出した日の属する事業年度において損金の額に算入することができます。

3.社葬に関わる経費の内、通常要すると認められる金額の判断
密葬の費用、墓石、墓地、仏壇等の明らかに遺族が負担すべき費用は認められません。会葬のための費用は損金の額とされます。

4.会葬者から頂いた香典の取扱い
遺族が受け取るのが社会一般の常識です。よって、香典等を法人の収入とせず遺族の収入とした時は、これが認められます。

Ⅳ.祭

質問
E社の会長が叙勲を受けたため、取引先を招待して祝賀パ−ティ−を催しました。このときの費用を一部会社で負担しましたが、税務上の取り扱いはどうなりますか?


回答
叙勲とは、本来個人的なものです。しかし、会長の叙勲は会社のイメ−ジアップになり、会社の対外的な信用を増す等の効果があるので、交際費としての費用性があります。ただし、パ−ティ−の規模が明らかに常識を超えて豪華であったり、会長の個人的色彩の強いものについては、賞与として取り扱われる場合もあります。

老舗企業の強さ

老舗企業の強さはどこから来るのでしょうか。気になる老舗企業の強さについて、商工会議所の調査に基づいてアドバイスいたします。

老舗企業の強さの根源
次の五つの点から見てみましょう。
① 暖簾を創る
② 強みを創りこむ
③ 固定客を創る
④ 人を育てる
⑤ 地域に根ざす


Ⅰ.暖簾を創る
老舗企業には、他の会社とは異なる「その会社らしさ」が息づいており、それこそが暖簾となって顧客へアピ−ルする魅力となっています。


① 個性を創る経営理念
● 経営の精神的な支柱となる経営理念、商品・サ−ビスに徹底した自社なりのこだわりをもっています。
● 主体的に自社の得意分野を決めることで、ターゲットとなる顧客層を明らかにしています。
● 自社独自の経営スタイルを意識的に創っています。
● 顧客や取引先との関係について、基本的な考え方を持っています。

② 個性を薄めない経営理念
● 身の丈に合った商売を展開しています。また、企業規模にはこだわっていません。


Ⅱ.強みを創り込む
商工会議所の調査によると、老舗企業は、表1のように自社の強みを「信用力」だとする一方、弱みを「価格競争力」としているところが多いようです。

文書 1-1.jpg
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① 中核的な技術・ノウハウで強みを創り込む
● 顧客・取引先との間には、信頼を基盤とした人的な繋がりがあります。
● 原材料や素材に関する知識・ノウハウの蓄積にこだわっています。
● 提供している商品やサ−ビスには、自社のノウハウがつまっていて強みになっています。

② 小さな差別化の積み重ねで強さを創り込む
● 商品・サ−ビスや生産過程には小さな事でもこだわり抜いている事が多くあります。
● 微妙な違いやこだわりが自社の特徴に結びついています。

③ 顧客との接点・対面で強みを創り込む
● 顧客ごとに異なった対応ができるように努力しています。
● 自社の特徴や強みを損なわずに合理化しています。

なお、老舗企業が創業から変えずに守ってきたのは、表2の通り経営理念やサ−ビスといった企業の中核となるものです。一方で、屋号や取扱商品などは環境変化に応じて変えており、守るべきところを守り、環境変化には柔軟に対応しています。

④ 日常的な業務改善
● 日常的に業務改善に取り組んでいます。
● 経営者が危機意識を持ち、改善の必要性を従業員に伝えています。

⑤ 代替わりで大きな変革を仕込む
● 後継者が既存の商いの仕方を冷静に検討する時間があります。
● 先代は後継者の変革をサポ−トします。

⑥ 変化を見越して市場を創る
● 老舗企業は、固定客を大切にする一方で、世代交代や環境変化に応じて新たな固定客を創る布石を打っています。
● 最近では、インタ−ネットを活用した販売網の拡大や、海外市場の開拓に取り組んでいる企業もあります。

Ⅲ.固定客を創る

老舗企業は、表3の通り「顧客満足の実現」を経営で重視しています。 そのためには、自社の力だけではなく、仕入先等との関係作りも重要です。


① 商品の個性を主張
● 代表的ないしは象徴的なこだわりの商品・サ−ビスを持っています。
● 顧客に商品・サ−ビスへの思い入れや会社の成り立ち、歴史などを伝えています。
● 商品・サ−ビスの個性を理解してくれる特定層の顧客を大切にしています。

② こだわりの商品を最高の状態で提供
● 顧客目線で使い道や使い方を考慮して提供しています。
● 交換・修理などのアフタ−サ−ビスのための仕組みが出来ています。
● 顧客の声を傾聴し、学ぶ姿勢があります。

③ 仕入先と連携
● 仕入先と関係作りの場を設けコミュニケ−ションがとれています。
● 仕入先との事業概念が共有されています。

Ⅳ.人を育てる
① 従業員の育成
● 実践・体感を重視した従業員教育を行っています。
● 守るべき技術・知識・ノウハウの継承を意識した人材配置や育成をしています。

② 後継者の育成
● 後継者が継承しやすい環境づくりをしています。
● 社外の目を養い、社内の承認を得ます。社外での経験を生かすことが期待されます。

後継者の選出で重視していることは表4の通りです

Ⅴ.地域に根ざす
商いを行う地域や地縁をビジネスに生かすなど地域に根ざしています。さらにその地域の活動に参加することで、地域の価値を高め、自社の繁栄にも繋げています
● 社外の人脈を通じて幅広い情報や助言を得ています。
● 地域社会の一員として活動、貢献をしています。

国民年金保険料の免除制度

20歳以上、60歳未満で国内に居住している人は特定の場合を除き、国民年金保険料を納付しなければなりません。ただし、失業・倒産・天災などの理由で国民年金保険料を納付することが困難な場合には、申請等により保険料の納付が免除、または猶予となる「保険料免除制度」や「若年者納付猶予制度」があります。 保険料の免除等の制度として、次のものがあります。

1.全額免除・一部納付制度

本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得。以下同じ)が表の額以下の場合には、申請により保険料の納付が全額免除または一部免除になります。 なお、この場合、将来受けられる老齢基礎年金の額は、減額されます。

■表

(1) 全額免除の場合

①所得額

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

※単身世帯の場合57万円まで

②年金額

平成21年3月分までは年金額の1/3、平成21年4月分からは1/2

①所得額

4分の1免除(保険料額1万1270円)

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

2分の1免除(保険料額 7510円)

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

4分の3免除(保険料額 3760円)

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

②年金額

文書 2.jpg

2.若年者納付猶予制度

保険料免除制度の所得は、前記の通り申請者本人のほか世帯主・配偶者の所得も対象となるため、一定以上の所得がある親(世帯主)と同居している若年者は、保険料免除制度を利用することができません。そこで、免除制度を受けられない人を対象に、30歳未満で本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、申請により保険料の納付が猶予される制度があります。
① 所得額
全額免除と同じです。
② 年金額
老齢基礎年金の計算対象期間には含まれないため、追納しない場合は老齢基礎年金には反映されませんが、老齢基礎年金を受け取るために必要とされる保険料納付済期間等の25年以上という受給資格期間に含まれます。したがって、この期間は障害基礎年金及び遺族基礎年金の支給要件の対象期間となります。

3.学生納付特例制度

学生も20歳になった時から保険料の納付が義務付けられます。ただし、本人の所得が「118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下(家族の所得額は関係なし)である学生については、保険料納付の猶予申請することができます。なお、本制度の期間がある場合の年金額は、前記の②と同じです。

4.保険料追納制度

保険料の免除期間及び若年者納付猶予期間がある人は、保険料を全額納付した時に比べ、受け取る年金額が少なくなります。そこで10年以内であれば(3年度目以降は当時の保険料に法律で定められた金額が加算)あとから保険料の追納が出来るようになっています。この制度を利用すると、減額されない年金が支給されます。

国民年金保険料.jpg

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